結論から申し上げると、『誰でも』は、なれません。また、なれる人でも、いつもなれるとは限りません。
なれない人のいる理由のひとつが骨の衝突。
ぶつかったら、そこから先は倒すことができません。(前屈の場合は股関節での骨の衝突。)
「私(僕)は硬いから」問題ではたいてい前屈が一番に出てきますが、多くのアーサナ(ポーズ)で、この『骨の衝突』という問題が起こります。これは変えることができない、お一人お一人の個性です。(『骨のぶつかり1』でも書かせていただいています。)
レッスンを進行する側も、全身が柔らかい人ばかりではありません。私の周辺を見る限り、私も含め、どこかは硬い、という人がほとんどです。
そもそも折りたたみケータイ状前屈ができる人は少数ですが、たとえそれができる人でも、開脚前屈になったとたん90度ちょっとで倒れなくなったり、逆のパターンの人もいたり、後屈はとても柔らかいけれど前屈は硬い、など。原因は必ずしも骨の衝突だけではないかもしれませんが、ヨガに親しむ立場であってもこうなのです。
次に筋肉の問題。こちらは変えることができます。どんな期間で、どこまで変えることができるかは、その人の現状や取り組み具合によって違いますが、体の言い分をちゃんと聴きながら根気強く続ければ、必ず変化します。
それでも筋肉の状態は、よほどよく調整されていない限り、その時その時違います。同じ日でも朝と夕方では違うし、レッスンの最初と最後でも違います。また、いくつもの準備的アーサナをした後とそうでない時では、レッスンの最後のほうといっても毎回違います。
そして私たちには他にも調整しておきたい部分がたくさんあるので、直接前屈の準備にはならない様々なアーサナを取ることになります。
折りたたみケータイになれても、いつもなれるとは限らない、というのはそういうことです。
アーサナ(ポーズ)には正解も不正解もなく、私たちにできるのは、ただその時その時の限界を丁寧に探ること。
そしてその限界に「そうなんだね」と言ってあげることで、また思いもよらぬ変化が起きるのもよし、起きないのもよし。
起きなくてもかまわない、と思っているほうが、起きやすいような気はしますが、それを狙ってしまうとまた起きなくなる、という微妙なところがあるのです。
今回は、折りたたみケータイとか言い出した私が悪うございました
<(_ _)>
それから、前屈でよく問題になるのが、膝を曲げてよいかどうか、ですが…
腰が丸くなるなら膝を曲げて腰を伸ばすほうがよい、です。
ただ、前屈時に背中側のストレッチもしたいのであれば、上半身の重さを太もも(や、間に挟んだクッションなど)に預けることを前提に、背中や首を緩めて丸めるのもアリです(画像の上段右側)。その場合も腰は程良い伸びを保つほうが無難です。