傷めやすい場所にも個人差はありますが、誰にとっても要注意なのは腰と首です。
腰と首を反らすポーズはヨガレッスンによく登場し、良い効果をもたらしてくれます。ただ、腰と首はもともと軽く反っていることもあって限界を超えて(=反らせ過ぎて)しまいやすく、注意深く行う必要があります。
気をつけたいことは以下の三つです
①折るように、でなく伸ばしながら曲げる(縮めない)。曲げ過ぎない
②与える刺激を一種類にする(曲げる、捩じるを同時にしない)
③縮めたら伸ばす
①について
脊椎中の椎間板を圧迫しすぎないためにも、穏やかでなだらかな曲線を描くよう、『反る』より『伸ばす』意識で。
腰については、胸を開こうとする意識や、お腹を薄くすること(に使われる腹横筋)が守りになります。
首のほうは、腰にとっての腹横筋のような、守ってくれる筋肉がありません。なので「縮めると危険」という意識で守ることになります。
②について
後屈、側屈、捩じり、といった複数の刺激を同時に与えると危険です。関節技のようなもの、と教わりました。私自身は格闘技への理解が不足しており実感は持てませんが、わかるかたはそんな感じと思っていただいたらよいと思います。
③について
具体的には、反る姿勢を取った後には、前屈的な姿勢を取って、リセットします。前屈というのは、股関節を蝶つがいにして、おなかと太ももを近づける体勢です。膝が曲がっている状況なら、腰も少し丸くなっていても大丈夫ですが、膝を伸ばしているなら、腰も伸びていないと危険な場合がありますので、その点は要注意です。
反らした後の首も、(背中側の首に近い筋肉を含め、)縮んだ感じが残っていれば、胸とアゴを近づけて後ろ側を伸ばしたり、自然に伸ばした上で優しく左右に首を振ったりして緩めます。
(縮めたからこそ伸ばしやすい、とも言えます。これを利用して柔軟性を上げる技法もあります。)