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最初に

柔らかくなるには『沿う』しかないの?

「沿ってください、そうすれば」ということばかり言っておりますので、この辺りで柔らかくするためにはテクニックもあります、というお話を。

『そうヨガの特徴』のページから『テーマの例』→『体を柔らかくするには』を見てみます。

①呼吸をゆったり保って、力みを探す
②心を受動的に保つ
③呼吸のリズムで反復運動
④PNF。伸ばす前に縮める

①②あたりは、『沿う』の範囲ですね。
『沿う』気持ち、柔らかい態度で体に向き合う気持ち、をそれまであまり持っていなかった場合は、その気持ちを持つだけでも筋肉の変化を感じることができると思います。

③④になると、テクニック要素が強まります。
③は筋肉の伸縮運動を呼吸主導で続けるスーリヤ・ナマスカーラなどが代表例。
④のPNFはもともとは医療現場でリハビリ用に開発された技法です。
ギリギリまで伸ばされた筋肉をもう少し伸ばしたい時に、壁を作ってそこへ向かって力をかける形を作り、あえて一度縮めると、その後伸び(緩み)やすくなる、というもの。

一例を。
画像は仰向きで脚の裏側の筋肉を伸ばしているところ。自分でヨガベルト(太めの紐などでもOK)を使って行っています。

足裏にベルトをひっかけておいて、膝を伸ばしていられる範囲で、足を上げられるところまで上げます。(もちろん真上より顔の方へ近づけられるならその位置まで。ベルトが不要で手で爪先を持てるところまで来ているなら、それもOKです。)
腿裏やふくらはぎは限界まで伸ばされた状態です。
その状態で、ベルトを持ちやすいところで握り、呼吸を柔らかく保ちながら、引っ張り合いをします。
大切なのは位置を変えないこと。グイグイ引き寄せようとするのではなく、壁を作ってやり、カカトがそれを押しているようなイメージです。腕力で引き寄せてしまったのではPNFになりません。
腕は足(脚)の位置を保ち、足(脚)は床へ近づこうとする。脚裏の筋肉はギリギリまで伸ばされ、そこに収縮が加わっています。
一番やりやすいのは、誰かに壁になってもらう(=カカトを支えてもらう)ことですが、一人でできるようになったほうが便利ですよね。

何秒くらい続けるのか、は諸説あります。私のガイドでは3呼吸程度を数回、が多いです。
2回目には位置が変わっている場合も多いです。つまり効果あった(=伸びた)!ということです。その場合はもちろんその位置からスタートです。

それ以外のポーズでも、腕どうし、腕と脚、などで(位置を変えずに)引っ張り合いや押し合いをできるものであれば、PNFが使えます。

そして結局のところ、これらのテクニックを使う場合も、丁寧に観察して、与える刺激の強さや止める頃合いをはかる気持ちが必要なのは言うまでもありません。

結局は沿っていただくことになります

※PNF Proprioceptive Neuromuscular Facilitation 固有受容性神経筋促通法
  まるで早口言葉です(笑)

※アイソメトリックという少し似た技法もあり、同じく等尺性の(=筋肉の長さを変えない)トレーニングですが、伸びが限界に達しているところで柔軟性アップを目的に行うわけではなく、筋トレ目的で手軽に行えるものです。例えば合掌から手のひら同士で押し合う、など。